米メジャーリーグ(MLB)で活躍していた台湾人投手、チェン・ウェイン(陳偉殷)選手が日本プロ野球に復帰した。今月14日、千葉ロッテマリーンズの先発として入団後初登板を飾った。勝利投手にはなれなかったが、6回を投げて4奪三振と好投。最速144キロメートルを計測し、日本の野球ファンたちに中日ドラゴンズ時代の雄姿を思い出させた。
チェン・ウェイン選手は旧高雄県(現在の高雄市)に生まれた。2005年、中日ドラゴンズの一軍デビューを果たした。2009年には最優秀防御率のタイトルを獲得。2012年に米メジャーリーグのボルチモア・オリオールズに移籍し、日本プロ野球から米メジャーリーグへの移籍を果たした台湾人選手第1号となった。2016年にはマイアミ・マーリンズに入団。当時、マーリンズ所属だったイチロー選手とは2017年が終わるまで、2シーズンを通してチームメイトだった。
2019年、イチロー選手は引退を発表した際、記者会見でチェン・ウェイン選手に言及した。これを知ったチェン・ウェイン選手は自身のフェイスブックで「イチローさん、僕は元気です」から始まる文章を投稿してこれに答えた。台湾と日本の野球界を担うスター選手の交流は、ファンたちの心を熱くした。
チェン・ウェイン選手は2020年9月、日本プロ野球への復帰と、千葉ロッテマリーンズへの入団を発表した。今月14日の入団後初登板に当たっては、蔡英文総統や頼清徳副総統がツイッターやフェイスブックを通して応援のメッセージを送った。チェン・ウェイン選手もフェイスブックを通して、こうした応援メッセージに感謝した。
千葉ロッテマリーンズの井口監督は「試合は作った。次も期待したい」と述べている。チェン・ウェイン選手が日本プロ野球界で再度旋風を巻き起こすことを期待したい。